掲げられたインドの詩人タゴールの詩

『うなぎ』の冒頭には、ノーベル賞を受けたインドの詩人タゴールの詩集『迷い鳥』の一節が引用されている。What you are you do not see, what you see is your shadow.(あなたが何者なのかあなたには見えない、あなたが見るのはあなたの影にすぎない)。会場からは、白色テロをテーマにした映画『返校 言葉が消えた日』でも『迷い鳥』の朗読があったが、なぜこの詩を冒頭に掲げたのか、と質問が出た。

『うなぎ』

チュウ あのタゴールの言葉は、私がまだ学生だった頃に本で読んだものです。しかし、正直に言うと、当時はその言葉の意味が私にはまったく理解できませんでした。理解はできなかったのですが、なぜかそのフレーズだけが、私の頭の中に何十年もの間、ずっと消えずに残り続けていました。

 そして、この映画の編集を何ヶ月も続けていたある時に、ふとその言葉が私の脳裏に鮮やかに蘇ってきました。その瞬間に、「ああ、この映画が描いているものは、まさにあの言葉のことだったんだ」と、少し分かったような感覚を覚えたのです。本当に自分が完璧に理解できたのかという疑問は今でもありますが、その編集の瞬間に受けた直感的な感覚が、あまりにも強烈でした。私は、映画を作る時に非常に直感的な物作りをしていくタイプですので、この編集中の強い直感に従って、あの言葉を冒頭に使おうと決めました。映画が完成した今、後からこうして振り返ってみても、あのタゴールの詩は私の映画にとてもよく合っていたんじゃないかなと、しみじみ思っています。

チュウ・ジュンタン監督
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