「サワコは遊びにきているだけ」

 ある日、デイケアセンターの部屋を飛び出して、近くの公園で子どもたちを遊ばせていたとき、たまたま私のスミソニアンでの保証人であり、このデイケアセンターで働くことを推薦してくれたシャーリーンさん(スミソニアンの正規スタッフ)が公園の横を通りかかって私を見つけました。

「どう? うまく行ってる?」

 私に声をかけたあと、公園にいた子どもの一人にシャーリーンさんが話しかけました。

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「サワコは、なにを教えてくれているの?」

 すると呼びかけられた子どもは平然と返しました。

「サワコは、何も教えてくれないの。サワコは遊びにきているだけ」

 あのひと言は、私の人生すべてを言い表していたように思います。

 そうなんです。私はどこへ行っても、「教える」立場にはなれず、一緒に「遊んでいる」存在に見える、というか、そうなのでしょう。たまには必死で働いているつもりなんですけれどね。少なくとも指導者タイプにはなれない。

「もう七十歳を過ぎたのだから、少しは年齢相応に人生の先輩風の態度を取ってみようかしら」

 と、たまに思ってみるのですが、すぐ挫折し、相手にもその背伸びを見透かされるはめとなります。でもその分、年齢によって分け隔てることなく、友だちにしやすいと思ってもらえるのかもしれません。と、理解することにいたしましょう。