実際問題、近年MPキッチンの経営状況が思わしくなかったのは確かだ。1月の子会社化に際して公表された株式会社エムピーキッチンの経営状況は、以下のように推移している。
2022年度 売上 38億円 利益 マイナス9.2億円
2023年度 売上 48億円 利益 マイナス4.8億円
2024年度 売上 57億円 利益 マイナス4.4億円
2023年・2024年は三田製麺所の出店効果もあって売上は伸びたが、赤字解消にはほど遠い。さらに、この期間の純資産は5.2億円から9900万円に激減しているのも気がかりだ。魁力屋による買収額も「50億円」と相場よりかなり抑えられており、傍目から見ると、不振のMPキッチンを救済合併したようにも見える。
こういった経営状況では、立ち上げたばかりの伍福軒の存続もおぼつかない。やはり一斉閉店の真因は「不振・伸び悩み」と推察される。
有名店の「パクり疑惑」も
伍福軒の不振をひもとくと「オリジナリティのなさ」も挙げられる。
定番メニューであった「黒ヤキメシ定食」(ラーメン+黒ヤキメシで税込1050円)を見ても分かるように、兵庫県・龍野の黒醤油を使った伍福軒のメニューは、とにかく黒くてガツンとしょっぱい。それが魅力ではあるのだが、そのビジュアルから、京都の名店・新福菜館の定番である「ラーメン+ヤキメシセット」(Aセット)がちらつく。実際、ネットでは「ジェネリック新福菜館」「パクりでは」という声もあがっていたほどだ。
さらに差別化のためか背脂をラーメンに散らしているが、カウンターに置いてある角切りたくあんも含めて、こちらはおなじ京都の「第一旭」や「魁力屋」を思い起こさせてしまう。
まとめると伍福軒のラーメンは「新福菜館の醤油スープに、第一旭・魁力屋のような背脂をトッピングした」ようなものだった。にもかかわらず京都と名乗らず「東京背脂黒醤油ラーメン」と銘打っている。
最初から「京都系の複数の醤油ラーメンにインスパイアを受けて、東京で開発したので東京背脂黒醤油と名乗りました」などの発信があれば、まだ納得感があっただろう。しかし、ラーメン好きからするとこうした“元ネタ”が分かりやすかったがゆえに、厳しい見方をされた感は否めない。
