上位数社がシェアの大半を占める牛丼やハンバーガーなどと違って、ラーメン業界は最大規模の「幸楽苑」でも約360店、ほか200店前後でスガキヤ・来来亭・丸源ラーメン・天下一品などがひしめき、群雄割拠の様相を呈している。
中でも注目なのが、天下一品とおなじく京都・北白川に本店を構える「魁力屋」だ。直近の5年で売上がほぼ倍増しており、出店ペースは年間で十数店をキープ。2026年1月には、「三田製麺所」「伍福軒」などを展開する「エムピーキッチン(以下、MPキッチン)」を買収して取り込んだ。全国でのさらなる店舗展開に向けて「元・伍福軒の物件を繁盛店に導けるか」は大きなカギを握るだろう。
昨年7月、MPキッチンがフランチャイズとして営業していた天下一品跡地に10店を一挙に開店と華々しく登場した伍福軒だったが、その後は1店も新店を出すこともなく、閉店ラッシュに。最後に残された大宮店も、閉店が決まっている。
伍福軒はいずれも首都圏の絶好の立地にあり、全国170店以上の一大チェーン店である魁力屋に転換すれば、さぞかし賑わうだろう――と思いきや、筆者はなかなかそうは言い切れないと考えている。まずは魁力屋ののれんをくぐり、魅力と強みを探りながら、今後を占ってみよう。
背脂に卓上トッピング、とにかくサービス精神が強いのが魁力屋
2005年に「本店」を出店した魁力屋は、いわゆる「京都背脂醤油系(背脂チャッチャ系)」の草分け的存在である「ますたに」の系譜にある。その関係か、同系統のチェーン店で約250店を展開する「来来亭」と、ラーメンのビジュアルが似ていることに気づく方も多いだろう。
もちろん京都発祥の醤油ラーメンのなかでも「新福菜館」のように背脂を入れない店もある。そんな中で魁力屋は、ことさらしっかりトッピングする上に、「背脂多め」まで無料。「すっきり醤油スープ+しっかり背脂+ストレート麺」の相性が良く、安心して「美味しい」と言える味だ。
カウンター上のおろしにんにく・角切りたくあん・九条ネギも入れ放題。さらに酢・ラー油・餃子たれなどが揃っていて、豊富な”味変”アイテムでラーメンを楽しむも良し、たくあんをつまみにハイボールを呑むもよし。使い勝手がよく、近所にあると嬉しいラーメン店であることは間違いない。


