京都勢が、郊外から都心部に押し寄せる展開も?

 最後に、買収したMPキッチンの黒字化・業績拡大について。伍福軒だけでなく同じく展開している八宝亭でも閉店が出ており、課題は山積だ。

 魁力屋本体としては2026年で売上245億円、営業利益7.5億円を見込んでいるものの、うちMPキッチンでは「売上68億円、営業利益マイナス7000万円」を見込む。2024年度の 「売上57億円、営業利益 マイナス4.4億円」と比べて改善はされているものの、まだまだ赤字基調は続く見込みだ。

 MPキッチンの主力である三田製麺所の新店出店が(伍福軒絡み以外)長らくストップしているのも見逃せない。こういったMPキッチンの課題を解消し、逆に魁力屋として出店攻勢に転ずることができないと、急成長を続けてきた魁力屋ブランドに、傷がつきかねない。

ADVERTISEMENT

 伍福軒の消滅が近づき、魁力屋では「池袋西口店」「吉祥寺店」の出店を予定しており、MPキッチン店舗の魁力屋シフトはどんどん進んでいくはずだ。

 最後に、京都勢のラーメン店の今後を考えてみよう。まず、ロードサイドで勢力圏を拡大している各社だが、現状では都心ではほとんど見かけないのがポイントになりそうだ。

 チェーン店だと、背脂系は「ますたに」が中央区日本橋に2軒、「来来亭」は練馬区石神井まで、「横綱」は千葉県柏市まで行かないと店舗がない。「新福菜館」も秋葉原・浜松町・麻布十番の3軒のみで、新宿近辺では「第一旭」が1軒あるくらい。郊外ならともかく、都心だと魁力屋のような「京都背脂醤油系」は、まだ意外と少ないのだ。こうなると、魁力屋の味も実は個性的に見えるのではないか。

 そこに、京都を代表する天下一品がフランチャイズ企業のディックス・エイチシーズと組んで、伍福軒から転換した魁力屋の近隣に出店するかもしれない。さらに各社もどんどんと雪崩をうって都心部に押し寄せる展開もあり得なくはない。

 こう考えると、魁力屋がMPキッチンを買収した意義は大きいかもしれない。伍福軒からの転換をチャンスにできるのか、その行方を見守りたい。

最初から記事を読む 「パクリっぽいラーメン」で閉店ラッシュ…天下一品の“愛弟子”が仕掛けたチェーン「伍福軒」がたった1年で消滅してしまったワケ

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。