食費は月1万円、肉体労働…悔しい思いをした下積み時代
小林は数多くの話題作に出演し、モデルプレスが発表した「2025年春ドラマのネクストブレイク俳優トップ10」で3位に選ばれるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いの若手俳優だが、なかには本作で初めて存在を知ったという人もいるだろう。
1998年2月生まれの28歳で、桜井日奈子、鈴鹿央士、藤井風、ウエストランドなど、近年数多くのスターを輩出する岡山県出身。意外だが、もともとは俳優の仕事に興味はなく、映画やドラマもあまり観る方ではなかったそうだ。そんな小林が役者を目指すきっかけとなったのが、2018年の大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』。就職活動を控えた大学生の頃、父親に誘われて観に行ったところ、感銘を受け、わずか半年後に大学を中退。上京し、俳優の養成所に通い始めた。
2021年に俳優デビュー後、3年目に出演した『下剋上球児』(TBS系)でブレイクを果たすことになる小林だが、それまでの道のりは決して平坦ではなかったようだ。『有吉ゼミSP』(日本テレビ系/2025年4月28日放送回)の大食い企画にチャレンジした際には、2024年までスーパーと肉体労働のアルバイトを掛け持ちし、食費を1ヶ月1万円に切り詰めるなどの下積み生活を送っていたことを明かしていた。俳優のオーディションにも全く受からないわけではなかったが、名前のない役も多く、悔しい思いもしたという。
野球経験が武器に…『下剋上球児』で掴んだチャンス
それでも諦めずに夢を追い続けた結果、『下剋上球児』のオーディションを勝ち抜き、舞台となる“ザン高”こと越山高校野球部のキャッチャー・日沖壮磨役に選ばれた。小学1年生から高校3年生までの12年間、野球に打ち込んだ経験は小林の大きな武器。半年間に及ぶオーディションに密着したドキュメンタリー『下剋上セレクション ~ドラマ出演を懸けた熱き予選大会~』では、小林が140キロの投球を難なくキャッチし、審査を担当した元ヤクルト・スワローズの内藤尚行が「キャッチングめちゃめちゃいいよね。ヤバくない?」と驚く場面もあった。
そんな小林が演じた壮磨は当初、トゲトゲのハリネズミみたいな青年だった。中学の頃は将来有望なキャッチャーとして期待されていたにもかかわらず、ザン高野球部への入部は頑なに拒み続け、不良仲間とつるんでいた壮磨。喧嘩っ早く、幽霊部員だらけとなった野球部で一人黙々と練習を続けていた兄・誠(菅生新樹)に対しても反発してばかり。
だが、ハリネズミのお腹がふわふわなように、根っこは素直で兄思いなのだ。思春期で不器用な性格に拍車がかかり、気持ちと言動がアベコベになってしまう。そのもどかしさが苛立ちとして表出していることを、小林は身体的表現を通じて視聴者に伝えてくれていた。ゆえに野球部を引退した誠の前に、それまで赤髪だった壮磨が坊主姿で現れ、「俺がザン高勝たしたるわ」と決意表明するシーンは多くの人の涙を誘ったのである。


