小技の効いた本丸への侵入路

 ここまで、東西に一直線に曲輪が並んでいたのが、四方から尾根が集まる位置で、広がりのある平地の上に、お椀を伏せたように乗っかった小山が本丸だ。今歩いてきた東以外にも、北と南の尾根にも曲輪が連なっている。

本丸を東より
本丸から南に伸びる尾根
八木城縄張図再掲(現地案内板より)

 本丸への入口には櫓台が飛び出しており、その脇の狭いスロープを抜ける。さらに登りきって直角に折れる。容易には突破できなそうな構造だ。

櫓台の石垣。角は互い違いにして強度を増す算木積み

 本丸内は見事に平坦で、両辺20m近くはある。兵の駐屯には好適。縁はなぜか南西側だけが石積みになっている。

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本丸奥は高台になっている
本丸南西の石積み。往時はここに柵などが設けられていたのだろうか

土の城かと思いきや石垣も圧巻

 本丸を後にし、櫓台を回り込んで進むと、とんでもない大石垣が待ち受けていた。ちょうど先ほどの本丸南西の石積みの直下にあたる。

本丸南西の石垣

 石垣の高さは10m近く。さらにその下にも2段の石垣が見える。現地案内板では、文禄年間(1592~1596)の構築と推定、とある。重棟と息子の吉治の城主時代は1585(天正13)~1600(慶長5)年だから、ちょうどその時期だ。ちなみに城自体は、それより以前から存在していたとの説が有力だ。

 石垣そばを通り抜け、裏側にまわると再び驚愕する。本丸西端が蒲鉾のようにぶった斬られているのだが、その断面にもびっしりと石垣が積まれているのだ。

本丸西端の石垣

 本丸北側は残念ながら草に埋もれていたが、ところどころに石垣が顔を覗かせていた。