“隠れステージ”への数々の難関

 ここまでで「八木城」攻略完了なのだが、実はこの城には“隠れステージ”がある。八木城の奥に、「八木土城」または「八木古城」と呼ばれる支城があるのだ。

八木土城の周辺地図(現地案内板より)

 時刻は16時過ぎ。日没までは約2時間。八木城から登山口まで、下りなら20分ほどだろうから、残りは1時間40分か……。

 迷った末、八木土城を目指し前進することにした。同じ道を引き返すことになるので、見通しは立てやすい。帰路に必要な時間を常に算出しつつ、適切なタイミングで折り返せばいい。午後遅めの山城攻めはこの危険がつきまとう。「無理せず」「気持ち早めに」と自分に言い聞かせながら進む。

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 まず細尾根。見事な連続堀切は、(“土”ではない)八木城の西端を守る遺構だろう。堀切を抜けると細尾根。一列縦隊でしか進めない、いわば天然の土橋だ。

徐々にくびれてゆく連続堀切
細尾根の両側は滑落注意の急崖

 細尾根は50mほどで幅が広くなりホッとしたのも束の間。今度は延々続く急登だ。しかもゴールが見えない。

八木土城への急傾斜

 普段なら「うわ……」と心が折れそうになる光景だが、この時は不思議と力が漲ってきた。時間内に八木土城の遺構を一通り踏破し、完全攻略したい。その気持ちがより強くなる。登りなのにやや早足になる。

 長さ、比高ともに50mほどを一気に上り切ると、土塁と平虎口(折れがなく幅を狭めただけの入口)が待っていた。本日2度目の「ここから城内」だ。

急登のゴールに待ち受けていた土塁。張られたロープが斜面の険しさを物語る
平虎口を城外から