対談終了後はいちいち泣いていた
そんな感じで特に勉強はせずに1年を過ごし、「せいせいしたぜ」と日本に帰ってきたら、新しい仕事の依頼が来たのです。
93年、アメリカから帰国後、『JNN報道特集』(TBS)のキャスターに就任。同時期に、「週刊文春」で対談連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」が始まり、現在に至るまで33年間続く名物連載となっている。
話を聞くのがうまいから声が掛かった? 全然違います。
それまで「週刊文春」では、デーブ・スペクターさんがホストの対談連載があったのですが、相手に鋭く斬りこむ、アメリカ型のインタビューだったんです。私も読んでいましたが、スリリングで面白かった。だけど対談の現場は大変で、「失敬な!」と相手が怒って帰っちゃうことがよくあったそうです。そのうちゲストが誰も来なくなってしまった。そんな綱渡りの連載だったので、次の対談はほんわかしたものをと考えたのでしょう(笑)。
編集長から「阿川さん、対談やりませんか?」と誘われて、その時はすごく落ち込みました。当時はまだエッセイ連載を続けていたので、「あ、最近エッセイが面白くなくて不評なんだ。だから打ち切って対談にするんだ」と。落ち込んだし、自信もないから、「インタビューが上手いと言われたことないんですけど……」と答えると、「いやいや、阿川さんらしいインタビューをしてください」なんて言われて。阿川さんらしいってなんだろうと思いつつ、つい引き受けちゃった。
連載が始まっても、インタビューが怖くて怖くて。最初の頃は対談終了後にゲストの方を見送ってから、「今日はどうだっただろう……」と担当編集者の顔色を窺っていました。「マル」って言われると、嬉しくて、いちいち泣いていたくらい。もう40になっていたんですよ。ガキでしょう(笑)。
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阿川対談を「やめたいと思ったことは何度もありますよ」と語った阿川さん。その時々の心の危機を、どのようにして乗り越えられたのか? 中年時代を楽しく生きるヒントが満載のインタビュー記事全文は『週刊文春WOMAN 2026夏号』でお読みいただけます。
写真:平松市聖、文藝春秋
