――子どもがいない女性に対する偏見を感じることもありますか?
くどう 40~50代以上の男性で、いわゆる“昭和の価値観”のまま止まっている方から、根強い偏見が見られることはありますね。
独身の人や、結婚して子どもがいない人に対して、「うちの会社にも自由気ままなのがいてさ。海外旅行に行ったりして、なんだか好き勝手やってるよ」といった話を、何気ない雑談の中で耳にすることもあります。
自分が「結婚して子どもを育てる」というルートを当たり前に歩んできたからこそ、それとは違うコースを選んだ人に対して偏見を抱いてしまうのかもしれません。
職場での「不平等感」にモヤモヤ
――「マダネ プロジェクト」では、職場環境での悩みも多く寄せられるそうですね。
くどう はい。特に短時間勤務制度に伴う「不平等感」にモヤモヤを抱えている声はよく聞きます。「子どもが小さいから大変なんだ」という主張が前面に出たり、周囲のフォローが当然のように扱われたりして、もやっとした気持ちになる、といったケースです。
退社時間になってもすぐ帰らずに、同僚とずっと雑談しているのに、その人が残していった仕事をフォローすることになる。時短で退社した後にネイルサロンへ行った様子がSNSにアップされていた……といった話も聞きました。他にも「休日出勤の打診は、子どもがいない人にしか来ない」など、負担を感じながらも声に出しづらい状況があるようです。
また、これは子どもの有無を問わないかもしれませんが、産休や育休を続けて取得し、ほとんど復帰しないまま退職していく人に対して、複雑な感情を抱く人もいます。もちろん必要な制度であり、積極的に活用されるべきものです。ただ、周囲へのちょっとした配慮や言葉があるかないかで、受け止め方は変わってくるのではないでしょうか。
以前であれば、そういった場面では「今は大変な同僚を支援する側だけど、いつかは自分も子どもを産んで、誰かに助けてもらう側になるかもしれない」と、お互い様と思えた部分もあったと思います。ですが、ライフスタイルが多様化した今は「いずれ自分も同じ立場になる」とは限らない人も増えています。
