ライフコースの多様化が進む日本社会。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、生涯子どもを持たない女性の割合は、将来的に「約4割」に達するという。

 トレンドウォッチャーのくどうみやこさんは、子どものいない女性たちを応援する「マダネ プロジェクト」を2012年に設立。生涯子どもを持たない大人の女性を「マダネ」と名付け、これまで1000人以上の当事者のリアルな声に耳を傾けてきた。

くどうみやこさん ©︎橋本篤/文藝春秋

 昨今は価値観の変化も進んできたが、子どものいない女性に対する偏見は今なお根強い。マダネの「いま」について、くどうさんに話を聞いた。(全3回の2回目/つづきを読む) 

ADVERTISEMENT

◆◆◆

「結婚して子育て」が当然という世の中に対する違和感

――昨今は「子持ちさま」「子無しさま」といった言葉も生まれ、子どもの有無で分断されやすい世の中です。くどうさんは、どのような場面で違和感を抱きますか?

くどうみやこさん(以下、くどう) たとえば、テレビのワイドショーで女性のコメンテーターが紹介される際、画面に「2児の母」といったテロップがよく出ますよね。男性コメンテーターの紹介で「2児の父」といった表記がつくことはあまりないのに、なぜ女性だけ育児のステータスが強調されるのか、いつも違和感を覚えます。

 またメディアでは、「不妊治療に成功した」「40代で出産した」「産後うつになった」というニュースは頻繁に目にしますが、結果的に子どもを持たなかった人のライフストーリーが取り上げられる機会はまだまだ少ないのが現状です。

 日常の身近な場所でも、軋轢を生みやすい場面はあります。たとえば、飲食店で子どもが走り回って騒いでいても周囲への配慮が感じられなかったり、公共の場で子どもが大音量で動画を見ていても親が注意しなかったり。

 そうした小さな出来事の積み重ねが、子どものいる人といない人の溝を生む一因になっているのではないかと思います。