自社の“極秘のダイニングルーム”に若きマーク・ザッカーバーグ氏を招いた孫正義氏。そこで孫氏は「じつは、マーク、僕はフェイスブックに投資できなかったことをずっと悔やんでるんですよ。ほんとにバカでした」と彼に伝える。
その言葉はどのような狙いで伝えられたものだったのか。言葉に隠されたまさかの真意とは。ここでは、ソフトバンクグループインターナショナルCFOのアロック・サーマ氏の著書『右腕が見た孫正義「クレイジー」が世界を変える瞬間』(光文社)の一部を抜粋して紹介する。
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孫氏が若いザッカーバーグにへりくだった口調だった理由
若いザッカーバーグを相手に孫のへりくだった口調が不思議だった。ひねくれた見方をするなら、ザッカーバーグは30歳という年齢ですでに孫よりお金持ちだったからとも考えられる。
だが、たぶんそれだけではない。孫正義という人物は起業家を尊敬していた。それに、私はソーシャルメディアについては冷笑的な立場だが、それでもザッカーバーグが情報革命の先駆者として果たした役割は否定しようがなかった。
「ありがとうございます、孫さん。私たちも残念に思っていました。あなたにはぜひ株主になっていただきたかったです」と、ザッカーバーグも同じく、あらたまった口調で応じた。
「でもたしか、あの評価額は高すぎるとお考えだったんですよね?」と彼は続けた。
「そうなんですよ! 100億ドルは高すぎると思ってしまった!」と孫は頭を振った。
「でもユーリは賢かった。彼は本当に素晴らしい投資家ですよ、じつに頭がいい」
そうして、今度はニケシュ(編集部注:ドイツの通信大手ドイツテレコムの携帯電話子会社であるTモバイルの上級幹部)と私を代わるがわる見ながら、こう付け加えた。「君たちも学ばないと。われわれは二度と同じ失敗を繰り返してはならない」そう言いながら、指を振って強調した。
