――悪意はなくても、恋愛の雰囲気にはなりづらい?
さしみちゃん そうですね。できないことを最初に伝えた方がいい気もするんですけど、そこから始めてしまうと発展はしづらいですよね。
――どういうことを伝えるんでしょう。
さしみちゃん たとえば自動販売機の上の方のボタンを押すとか、そういう些細なことですね。自分のために整えた家の中なら車椅子に乗ったままほとんどのことができるし、高さも整えてあるので少しだけなら立ったり歩いたりできるんです。でも自動販売機の前で立つのに十分なスペースを確保して、掴まるところを用意して……ってなるとスッとは立ち上がれない。そんな感じで、できること・できないことを言葉で伝えるのって結構大変で、見てもらわないとわからないことも多いんです。
「障害者に恋愛ができないとは思ってないんですけど…」
──それが恋愛の場面でもいろいろと出てくるわけですね。
さしみちゃん もちろん障害者に恋愛ができないとは思ってないんですけど、やっぱり気をつけなきゃいけないこともあるとは思ってます。私自身「障害があっても気にしないよ」って言われたこともあるんですけど、中には私が物を取れなかったり段差があったりするとテンションが上がる人もいたんです。助けてくれるつもりはもちろんあるんですけど、それって私のことを対等なパートナーじゃなくて「守ってあげたい」存在として見てますよね。中には、自分より弱い人を助けることで自尊心を保ちたいタイプもいますし。
──対等な関係、難しいですね。
さしみちゃん だから最近は、パートナーを見つける前に「パートナー以外の頼れる人」が必要なのかなと思うようになりました。障害があるとどうしてもサポートが必要な場面が出てくるんですけど、その時にパートナーがいなくても生活できる、という自信が必要な気がしてます。「一人でも生きていくぞ」ってエネルギーがないとパートナーに依存しがちになって、何か嫌なことがあっても逃げられなくなっちゃうので。障害者の恋愛こそ自立が大事だと思います。
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