「点状石灰化骨異形成症」という、日本で1人しかいない先天性の障害を背負って生まれたさしみちゃん(30)。
デザイナーとして働く傍ら“車椅子ギャル”としてSNSで発信を始めたが、「エレベーター問題」で誹謗中傷が殺到。通勤の片道だけで15回エレベーターに乗らなきゃいけないという移動の現実、「思いやり」では解決しないと語る背景について聞いた。(全4回の4回目)
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──いつからSNSでの発信を始めたのですか?
さしみちゃん 24歳の頃ですね。それ以前からSNSに自分の写真を載せることはあったんですけど、車椅子が写らないようにしてたんです。大学時代に美術の作品展に出したとき、「障害のある人だからこういう描き方になってる」って解釈されたことがあって。私が表現するものって障害から湧き出てくるものだけじゃないのに、そうやって見られるのが嫌だから、最初は障害者であることを隠してたんです。
──そこからオープンにしようと思ったきっかけは?
さしみちゃん 電車とかエレベーターとか、移動で不自由を感じることが山ほどあって。就活でも悔しい思いをたくさんしたし「この状況を変えたい」って思いはずっと持ってたんです。それで仕事にも慣れて落ち着いたタイミングでYouTubeを始めようと思って。キャッチーなフレーズがあった方が知ってもらいやすいかなって思って「車椅子ギャル」って名乗ることにしたんです。
「障害者」を主語にしない発信を心掛けていたが…
──さしみちゃんのYouTubeは服や旅行、整形など障害に関係ないものも多いですよね。
さしみちゃん あえてそうしてるんです。「障害者」を主語にするんじゃなくて、オシャレなVlogとして見てもらう中で「この人、車椅子だったんだ」って気づく流れにしたくて。「障害について勉強しよう」と思わなくても、楽しく見てる動画の中で自然に知る機会になったらいいなって。
ただ結局、エレベーター問題を発信したことで注目を集めたので、思い通りにいかない部分はあったのですが……。
──改めてそのとき何があったか教えてもらえますか。
さしみちゃん そもそも公共交通機関のエレベーターって、国土交通省が優先マークの設置を義務づけていて、「障害者や高齢者、ベビーカーが優先」ってルールなんですよね。でも実際はなかなか譲ってもらえないどころか、抜かされることもあるんです。それをSNSで問題提起したら、誹謗中傷が殺到して。

