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終戦から3年後の1948年、闇商売に手を染めるが素人に上手くいくはずはなく、借金とその返済に追われるようになる。金になりそうな家具や着物を売り払っても、もはや限界。そこで翌1949年6月9日、親しくしていた福松に金を借りるべく自宅を訪ねる。福松は以前から宏子のことを気にかけて、それまでにも何度か生活資金を融資してくれていた。
「そんなに困っているなら体でも売ればいい」
このとき、寝たきりの福松に代わり、対応したのが妻のカネである。彼女は頭を下げる宏子の申し出を断ったばかりか、「そんなに困っているなら体でも売ればいい」と罵詈雑言を浴びせ宏子を追い払う。
宏子はカネを許せなかった。自分に対する屈辱的な言葉だけではない。カネは夫の患う肺結核がうつるのを恐れ、普段もほとんど面倒をみなかったばかりか、福松を1階に寝かせ自分は2階の部屋で寝起きしていた。そんな福松を不憫に思い可能な範囲で世話をしていたのが宏子だった。
ただ、彼女が福松に親身になったのは別の事情もあった。
