前妻マッケンジーの温かい人柄

 その冷徹に現実を見据えた性格は、真面目だけれども温かい心を忘れない妻マッケンジーとは対照的だった。彼女は業界イベントで夫と共に行動することが多く、ベゾスにとって重要な助言者かつ相談相手であり、知性と創造性に満ちあふれた女性だという印象を私は受けた。

 なにより彼女自身がすばらしい経歴の持ち主だった。将来有望な小説家で、プリンストン大学時代はトニ・モリスンの指導を受け、モリスンのお気に入りの学生の一人だった。

 当時、スコットが自身の執筆活動について話すのを聞いていたら、彼女の切なさが伝わってきた。夫が出版業界への関与を強め、どんどん物議を醸すようになれば、自分の作家としてのキャリアがこの結婚によって阻まれる運命にあると知っていたかのようだった。ベゾスが私に対して神経質なまでに辛辣な態度を見せはじめれば、私はスコットのより公平な視点に頼った。

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 彼女がいたから、私はベゾスをより高く評価するようになったのだ。

ベゾスと前妻マッケンジー ©getty

 偶然だが、ビル・ゲイツとメリンダ・ゲイツの二人に関しても同じものを感じた。あるとき、メリンダがウォルト・モスバーグにインタビューされているのをビルと一緒に舞台裏から眺めていた。二人して彼女の当を得た説得力のある答えに感心し、いつも何かにいらいらしているビルの目を見て、「彼女と結婚しているあなたが、さらに10%好きになったわよ」と声をかけた。きっとビルも、すばらしい妻を持つ私を同じように思ってくれたはずだ。