総合スーパーの斜陽を尻目に、成長を続けているドンキ

 ドンキは今や売上2兆円超、業界4位の巨大小売企業に成長しているが、その過程で長崎屋、ユニーといった大手総合スーパーを傘下に収めることで大きくなってきた。グループの中心はドンキを中心としたディスカウント事業(約1.4兆円、2025年6月期)だが、総合スーパーであるUNY事業が4700億円とそれに次ぐ事業となっている。

 総合スーパーといえば、2000年代頃までは「小売の王者」のような存在で、ダイエー、イトーヨーカ堂、西友、ジャスコ(現イオン)、マイカル、ユニー、といったメンツが国内小売ランキングの上位を占めていた。

 しかし、今では全国展開して勢いのある総合スーパーはもはやイオンだけとなった。イトーヨーカ堂さえもファンド傘下に“入院中”となり、独立経営を維持する老舗大手スーパーはもうほとんどない。ドンキが、そんな落ち目の総合スーパー大手である長崎屋、ユニーをM&Aでグループ化し、見事に復活させたことはご存じの通りである。

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ドンキが「不振店舗」を再生したノウハウとは?

 ドンキは、食品を始めとしてあらゆるジャンルの商品を品揃えする、という点で総合スーパーと変わらないように見える。では、総合スーパーが斜陽となる中でもなぜ「36期連続」で増収増益を達成しているか。もちろん要因には安さもあるが、独自のビジネスモデルの力が大きい。

 総合スーパーは、生活に必要な商品を、1か所で短時間に買い揃えることが出来るワンストップショッピングを目指した。一方のドンキは、購買頻度の高い食品や必需品を低価格販売することで来店してもらい、上層階は宝探しをするようなエンタメ空間として構成した。

ドンキは店舗売場そのものが“売り物”になっている(PPIH事業説明資料より)

 自ら「魔境」と呼んだドンキの上層階フロアは、掘り出し物、珍しいもの、面白いものを「圧縮陳列」という立体的な見せ方で並べている。売場の中から商品を探し出すことそのものが楽しい、という売場は、他社にはない強みとなった。

 総合スーパーといえば、食品売場は混んでいるものの、2階より上の階が閑古鳥状態になっているところも多い。そうして不振に陥った店舗を、ドンキは2階以上をエンタメ空間である「魔境」に転換することで再生させてきたわけだ。

 ただ、ドンキの「魔境」も万能ではない。