「スーパーみたいでスーパーじゃない」
ドン・キホーテなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が新たに展開し始めた「ロビン・フッド」は、こんなコンセプトを掲げている。
その特徴は、ダイエーやイトーヨーカドーといった小売業界で一時代を築いたチェーンを凋落させるきっかけとなった“非食品”に多くのスペースを割いている点にある。いったいなぜ、PPIHはスーパー業界の“問題児”ともいえる商品を多く取り扱うことにしたのか。
全国2万店超が「ロビン・フッド化」の候補?
PPIHはこれまで、非食品を扱うフロアが足を引っ張って苦境に落ちたGMS(総合スーパー)を買収、居抜きで出店する形で成長してきた。一方で、こうした店舗の数には限りがある。
実際、同社はユニーを傘下に入れて以降、ずっと戦略を練ってきたと思われる。ユニーにはアピタという総合スーパー、そしてピアゴという食品スーパータイプがあり、まずはアピタのドンキ化を進めることでドンキ、ユニー両方の売上を改善してきた。
そしてピアゴの活性化策として満を持して生まれたのが、ロビン・フッドだということだ。そして、このロビン・フッドが横展開可能なモデルとして成立するならば、全国に約2万1600店以上ある(2026年5月末時点、全国スーパーマーケット協会調べ)とされる食品スーパーをM&A、もしくは居抜き出店の対象として、持続的成長戦略を描くことが可能になる。
ロビン・フッドは、安さと品揃えに関してはドンキでの実績もあり、自信を持っているだろう。筆者が考えるに、ドンキがロビン・フッドで最も気を使ったのは「安さ」ではなく、売場がわかりやすい≒短時間で買い物できる点なのではないか。
ロビン・フッドの説明として「ひと目で特長のわかるパッケージや、パパっと効率的に回れる店内」と謳っており、従来のドンキが強みとしてきた宝探し=時間がかかるわかりづらい売場、という印象から脱却しようとする意図が透けて見える。
つまりロビン・フッドは、日常の買い物にタイパを求める大半の消費者のニーズに対応した店なのだ、ドンキとは全く違うのだということをPPIHは伝えていきたいのであろう。それゆえ、ロビン・フッドは入ってすぐの通路に、店内の大きな案内図が描いてある。実際に店舗を訪れてみた印象として、筆者を含め多くの消費者が抵抗感を感じないレベルのスーパーに仕上がっている、というのが筆者の感想だ。
