成瀬は必死で逃げ出し、二度とそのマンションに近寄らなかった。もしかしたら自分は踏み込んではならない闇の世界に触れてしまったのではないかと考え、犯行を止めていた時期もあった。

 成瀬は「あの女性のことは気になっていたが、自分の犯行がバレると困るので、警察にも通報できなかった」と打ち明けた。

「とにかく女性とは最初から最後まで話がかみ合わなかった。自分が脅しているのに、まったく怖がってくれないので、すごくやりにくかった。あそこまでして自分を引き止めようとしたのはなぜだったのか。それが今でも分からない……」

ADVERTISEMENT

女性の正体は⋯

 成瀬の話を聞き、警察は非合法組織による人身売買事件の可能性もあるとみて、現場のマンションの引き当たり捜査を開始した。

 マンションの所有者に居住者リストの提出を求めたところ、問題の部屋には当時、クラブホステスの青木理央さん(同28)が住んでいたことが分かった。

写真はイメージ ©getty

 理央さんは事件直後に転居していたが、警察は成瀬の供述の裏付けを取るためにも理央さんを捜しあて、理央さんに当時の状況を尋ねた。

 その答えはレイプ未遂の被害に怯える女性そのものだった。