「慶応なんて行くもんじゃないよ」恐怖の内定者パーティー

 10月1日、内定式が行なわれた。式は某ホテルで挙行され、参加した内定者たちはそのまま宴会場の内定者パーティーへと流れた。電通から内定をもらった学生たちは、私を筆頭にみなある種の高揚感の中にあった。同期入社の学生たちは丸いテーブルを囲んで座り、初めて顔を合わせるわれわれはまずは簡単な自己紹介を始めた。

「清宮と申します。東大の経済学部出身です」

「鴨志田です。アタシはお茶の水女子大学で、学生時代はイベントコンパニオンをやってました」

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「下柳と言います。僕は慶応です」

 その場の雰囲気に気押された私は、出身大学を言うことさえ憚られた。

 だが、同年代の学生たちは数分もするうちに、だんだんと打ち解け始めた。

「アタシ、本当はアナウンサーになりたかったんだけど、キー局はみんな落ちちゃって。それで仕方なく電通に来ました」

「僕は幼稚舎からずっと慶応だけど、慶応なんて行くもんじゃないよ」

 テーブルは和気あいあいとした雰囲気に盛りあがった。

「でも、俺さ、本当になんのコネもなかったんだぜ。それでも内定もらったんだ」

 私がそう言うと、一瞬にして、その場の雰囲気が凍りついた。