偽名でラジオの“ジングル”を自作投稿
ラジオ投稿は、学生時代だけではなく、プロになって以降も、何度か匿名でおこなっていることを明かしている。その中でもっとも衝撃的だったのは、なんといっても『タマフル』こと『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ)への投稿だろう。2011年10月29日に放送された「第2回リスナーラップジングルへの道」に「スーパースケベタイム」というラジオネームで作成したジングルを投稿し、最優秀賞に選ばれたのだ。メールアドレスもそのために取得して、偽名で投稿した上、歌声も加工していたため、パーソナリティの宇多丸や審査ゲストのサイプレス上野は、もちろん星野源だとは気づかず、審査していた。宇多丸はそれを『POPEYE』での対談(2013年5月9日収録)で初めて聞いて「ひっくり返った」という。星野もまた、まさか実際に放送され最優秀賞にまで選ばれるとは思っておらずひっくり返った。同時に自信にもなり、その後の楽曲の方向性にも影響を与えたと明かしている。
この投稿は、『RADIPEDIA』でJ-WAVEにいた星野がたまたま『タマフル』のディレクターとすれ違ったときに挨拶をし、一緒にいた宣伝担当者が「今度出してください」と言ったところ、「いまラップジングルを募集してるんで応募したらいいんじゃないですか?」とそっけなく返され、見下されているように感じ、「バカにしやがって」と憤ったことがひとつのきっかけだった(日本テレビ『嵐にしやがれ』2017年4月15日)。
その前にも『タマフル』のリスナーとして同じ「スーパースケベタイム」の名で投稿したことがあった。それは、孤独なエピソードを送る「KO-KO-U~孤高~」というコーナー。星野の投稿は2011年1月8日の放送で採用された。実話ベースのそのエピソードの語り口は、まさに深夜ラジオリスナーのそれ。冒頭には「AMラジオのマナー」として、放送作家イジりもしっかりされている。“正体”が明かされ、改めてその投稿を読んだ宇多丸は、星野を「叩き上げのリスナー」と評した(2014年6月21日放送回)。
まさに「叩き上げのラジオリスナーである」ということこそが、星野源のアイデンティティのひとつだと言っても過言ではないだろう。だから、彼がラジオを大事にするのは必然なのだ。
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

