「よりを戻さなければ拉致監禁してレイプ。婚姻届に判を押さなければ殺す」

 交際わずか1カ月、些細な嫉妬から始まった異常な束縛。耐えかねた女性が花火大会での喧嘩を機に別れを告げると、男の狂気は一気に加速した。

 実家に張り付き、被害妄想の「監視日記」をスマホに綴る日々。ただの破局がなぜ、おぞましい監禁・レイプ計画へと変貌したのか? 平成28年、大阪で起きた事件の発端とは。なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/続きを読む

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写真はイメージ ©getty

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「一緒に死ぬか、これからもおるか」

 パチンコ店に勤めていた被害者の山尾愛梨さん(当時26)は、同僚として辻橋卓也(同22)と知り合った。「お前を一生かけて守る」という熱い告白を受けて付き合うことになったが、交際1カ月にして何もかもが嫌になった。

 男友達から電話があっただけで不機嫌になり、「あなたを怒らせちゃってごめんなさい」と謝らなければならない。辻橋からのLINEの返事はすぐに返さなければならない。休みの日は常に一緒にいないといけない。「友達とライブに行ってもいいか?」と聞くと、「オレよりもそっちの方が大事なのか?」と怒り、携帯電話を隅から隅までチェックされる。もはや、どうしたら機嫌が悪くならないかだけを考えて付き合うようになり、「もうしんどい」と別れ話を切り出した。

 すると辻橋は愛梨さんの家に押し掛け、無理やり車で連れ出した。赤信号を無視して暴走しながら「このままオレと一緒に死ぬか、これからもオレと一緒におるか、どっちや?」と迫り、愛梨さんが思わず「一緒におる」と答えると、ますます束縛を強めるようになった。

 気に入らないことがあると暴力を振るい、ギャンブルに使う金を無心し、それで携帯代金が払えなくなると、「オレと連絡が取れなくなってもいいのか?」と言って、愛梨さんに払わせた。愛梨さんは辻橋と付き合うようになってから、それ以外の人間関係が皆無になった。

 その後、辻橋は無断欠勤が原因でパチンコ店をクビになり、土木作業員に転職。愛梨さんはデート代をほとんど支払わされるようになった。