林 一気に変わられますね。皇太子時代は「なるちゃん」と呼ばれて、頼りない印象もあった今の天皇陛下も、即位後はすばらしい天皇になられました。
御厨 あの上皇陛下も、天皇になられたときは随分バッシングがあった。しかし、それを受け止めてさらに大きく包み込む「のりしろ」をお持ちだった。養子の方が急に入ってきたときに一番大変なのは、この「のりしろ」を持っていないことかもしれませんね。
林 これまで積み上げてきたものが大切ですよね。
女性皇族の夫と子供をどうするか
御厨 皇室典範改正のもう一つの論点、女性皇族の身分を保持する案についても、政府は具体的なことを言いませんね。
簡単に経緯を振り返ると、女性皇族をめぐっては2005年に小泉純一郎政権下の有識者会議で、女性・女系天皇の可能性を容認する報告書が出された。その後、悠仁さまが誕生して議論が止まりましたが、野田さんが首相をされていた12年に、皇族数減少を食い止めるため、女性宮家の創設を軸とする論点を整理しましたね。
野田 あのときは、女性宮家に入る夫と子供が「皇族になる案」と「国民に留まる案」がありました。しかし、2021年の有識者会議では後者、つまり国民に留まる案しか議論されていません。
林 いま、女性皇族の方も結婚の適齢期の方々が多い。突然ご結婚を発表される可能性のある状況です。私は女性宮家には賛成ですし、1日も早く決めなくてはいけないと思います。
(2026年5月18日収録)
※この座談会では、皇室典範改正を巡る協議について論点を総点検しています。約9000字の全文は、月刊文藝春秋の電子版『文藝春秋PLUS』に掲載されています(御厨貴×林真理子×野田佳彦「拙速改正で日本を分断するな」)。

