――アルプススタンドで演奏している吹奏楽部員の中には、そうしたドラマを持っている学生もいるんですね。

上原 そうなんです。コンクールに出られなかった子たちもいる。私はありがたいことにレギュラーメンバーとして3年間コンクールに出場できましたけど、選ばれなくて隅で泣いている仲間もたくさん見てきました。そういう背景もあるので、体育会系のような雰囲気があるんですよね。

音大を志望するも、周囲は「現実的ではない」と大反対

――その頃には、将来は音楽で生計を立てていきたいという気持ちが?

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上原 ありました。高校を卒業したら音大に行こうと思っていました。だけど、音大はとてもお金がかかる。顧問の先生からも母からも、「音大や芸大に入れたとして、その先食べていけるかどうか分からない」と言われて。後年、その意味が分かるんですけど、高校生だった私にはピンとこない。とにかく、やめておいた方がいいと説得されるばかりで。

©︎細田忠/文藝春秋

 その最中に、立命館大学から指定校推薦として、うちの高校から2~3名ほしいという連絡がありました。当時は、一芸入試に力を入れている大学が多くて、「上原も一芸入試で立命館を受けてみないか」と声を掛けてもらったんです。

 立命館にはオーケストラ部があって、力を入れていたこともあり、規模も大きくて、100人くらいから構成されている。過去には、指揮者の阪哲朗さんや、バイオリニストの千住真理子さんといった著名な方ともコラボレーションをするなど、とても精力的な活動をしていたので、受けてみたらありがたいことに合格しまして……。ただ、いかんせんずっと吹奏楽に明け暮れていたから、大学の授業がつまらなくて、気が付くとアルバイト三昧に(苦笑)。