千石の商品戦略課課長、高橋弘真さんは、アラジンのオーブントースターの開発者である。「このヒーターを調理機器に転用すれば、画期的な製品ができるのではないか」と考え、トースターを開発した。

しかし、強力な遠赤外線が出るヒーターでパンがムラなく焼けるようにするのは大変で、出力調整や距離、ヒーターの上に入れる反射板の角度などの調整に、約半年かかった。その間、6枚切りの食パンを1日10斤、合計1万枚焼いたという。

10万円超えの高級炊飯器が出た時期で、「おいしい料理のためならお金を出す層がいる」と千石は高級トースターの開発に着手している。とはいえ、高橋さんは「数千円が一般的なトースターに2万円も出すのはせいぜい年に1万人ぐらい」と見込んでいた。ふたを開けてみると、年間40~50万台も売れる大ヒット商品になった。

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トースターが万能調理器になる

さて、今回注目したいのは、オーブントースターによる調理である。開発に試行錯誤していた頃、高橋さんは「このトースターは、万能調理器として仕上げられるのではないか」と気がつく。「高価な商品ですので、朝も夜も使えると、お客様も満足していただけるかもしれない」と考えた。

そこでヒーターの調整が終わると、今度は専用のグリルパンの開発に着手した。このグリルパンを使えるのは、フラッグシップモデルと一回りコンパクトな4枚焼きの「グラファイト グリル&トースター」である。そのまま食卓に出せるよう、おしゃれなデザインに仕上げた。

加熱用の調理器具のうち、油が落ち焦げつきにくい波形の底面にした浅型(深さ2.1cm)は、フラットな底面の深型(深さ4.1cm)のふたとしても使える。その他、蒸す際に敷くすのこも付属。フラッグシップモデルにはご飯が炊ける「炊飯」メニューを搭載しているため、炊飯釜や計量カップもついている。

それぞれ鋼板に耐熱セラミック塗装を施した。ふたをして焼くと、グリルパン内部はフラッグシップモデルなら320度(4枚焼きは330度)まで上がり、周囲360度から均一に加熱するので、短時間で料理が完成する。