今年3月、沖縄県名護市の辺野古沖で、米軍基地建設への海上抗議活動に使われていた小型船2隻が転覆し、修学旅行中の女子高校生を含む2人が死亡する事故が起きた。船を運航していたのは、ヘリ基地反対協議会。中国ルポライターの安田峰俊氏がその周辺を取材する中で、中国共産党のプロパガンダ機関との看過できない接点が浮かび上がった。【全3回の2回目/第1回、第3回も公開中】
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──『週刊ポスト』記事の見出しには、「治安当局から警告を何度も受けていた」とあります。この警告は、怪しい中国人が乗船していたからではなく、その活動自体に対する警告ですか。
安田 そうです。辺野古基地の建設地付近の海域は約561ヘクタールの「臨時制限区域」に設定されていて、一般船舶や遊泳者の立ち入りが禁じられています。それに対して、辺野古の抗議団体の方はカヌーや、例の沈没した抗議船「不屈」や「平和丸」などを使って、そこに接近・侵入する抗議を繰り返してきました。これは違法行為ではあります。
もっとも、偏らない立場で辺野古移設の経緯を調べても、日本国がかなり無茶をやっているのは確かなので、「抗議運動」自体が起きるのは仕方ない。抗議側としては、「国がルールを破ってるんだから、こっちがルールを破って何が悪い」という理屈もあるんでしょう。個人的には同意しない考えですが、すくなくとも“沖縄の人がやっている”なら、一定の理解はします。2010年代半ば以降、沖縄に対する国側の傲慢さがすごいのも確かですから。
まあ、それはさておき。とにかくそういう抗議が恒常的に行われ、臨時制限区域に抗議船舶が接近するたびに「入らないでください」と海保から警告を受けてきたのは確かです。
「なぜ中国人記者を船に乗せたのか?」
──気になるのは、ほぼ中国当局側に近い立場の人間を船に乗せた側が、何を考えていたのかというところですよね。明らかに中国側を利する動きにも見えますけど。
