その結果、ナイチャーが口を揃えて「悪い」と言っている中国は、実は沖縄にとってはいい国なんじゃないか? みたいな逆張りの認識や、中国側のナラティブを受け入れやすくなる土壌も、社会の一部に生まれやすくなってくる。
──だから、本当に重大な事態について伝えていても、沖縄には届かないと。一方で、日本の当局者が中国の沖縄への浸透工作について認識を改める可能性はありますね。
安田 はい。普通に考えてそうです。私は中国にしか興味がないですし、高市政権も支持していませんが、たとえそういう立場から考えても、日本の安全保障や国家の安定にとって極めて深刻な問題です。「中国の藩属国」になりたい人以外には、政治党派は関係なく非常に危ない。
──今後も中国の「記者」がどんどん入ってきて、沖縄の活動家が辺野古の船に乗せる、みたいな状況が今後も続いたら、「それでいいんですか、日本政府」となりますよね。
安田 記者だけではありません。研究者かもしれませんし、「平和」を考える留学生かもしれません。しかも、そういう人がやってきた時に、玉城デニー知事や副知事に普通に会っているんですよね。
たとえば、中国共産党中央党校。つまり、党の幹部養成機関で、過去には習近平や胡錦濤も校長を務めたガチガチの党機関で──、『環球時報』よりもさらに党そのものに近い組織があります。そこの系統の人物が、沖縄のある平和団体の仲介で知事と会っているんです。この団体は辺野古の反対協とは別の平和団体ですけれども。
玉城デニー知事の支持基盤はオール沖縄ですが、これは辺野古移設反対のための島ぐるみの連帯運動が母体です。ゆえに、例の反対協や、いま言及した別の平和団体は、支持団体のコアに近い。そこから紹介されてきた人であれば信用がありますから、知事は会いますよ。たとえ相手が中国の工作員や党のエージェントだったとしてもです。
なぜ沖縄では「左派」が元気なのか?
──最後に大きな話に移らせてください。今回の話で出た、本土と沖縄では歴史認識が違うという話は非常に興味深く感じました。

