車体はボロボロ、周囲には廃棄物が散乱

 上空のヘリコプターと地上の中継カメラの映像をリアルタイムで確認する。テロが起こったかのような現場だ。記者の担当は、刑事部捜査一課や捜査二課、組織犯罪対策部(当時)暴力団対策課など警視庁の部門ごとに対応している。

 池袋暴走事故のような重大事故は交通部が所管するため、交通部などを担当している私が取材に責任を負うことになったが、あまりの情報量の多さに、私は記者クラブで事実関係を整理することに専念し、同僚に原稿の執筆を依頼。後輩の記者が現場に急行した。

 現場からのライブ映像を見て、真っ先に目に入ったのは横転していたごみ収集車だ。車体はボロボロになり、前方のグリルも原型を留めていない。周囲には廃棄物が散乱していた。

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 目撃者の男性のインタビュー映像が送られてきた。

「『どかーん』という大きな音がしたので、そっちの方を見たら、しばらくしてごみ収集車の窓ガラスから、運転手が手を出して動かしているのが見えました」

 複数の車両が大破し、あさっての方向を向いているため、事故の時系列が判然としない。とりあえず「乗用車とごみ収集車の事故で一〇人が巻き込まれる」という情報だけを第一報としてネットニュースで伝えた。

 私は内心、「ごみ収集車の信号無視だろう」と考えていた。