「すごい衝撃と音が…」

 ごみ収集車を運転していた田中清(仮名、四二歳)が事故後しばらくして取材に応じた。当日は朝の四時半から新橋や巣鴨などで作業を行い、池袋の集積所に向かう途中に事故に遭遇したという。

「あの交差点にさしかかって、青信号になって少し前に進んだ瞬間、いきなりすごい衝撃と『バリバリバリ』という音がして、訳がわからず、(車が)ひっくり返りました」

 横転したごみ収集車は、運転席が下、助手席が上の状態になっていた。田中はシートベルトを外して、何とか“立ち”の姿勢になった。足を運転席、頭を助手席に向けて身体を支えるという異常な体勢だった。田中は肩を強打したうえ、頸部挫傷の全治四か月の重傷を負った。その上、痛みに耐えながら後続車両の追突などによる二次事故の恐怖に怯えていた。

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 すると、約一〇分後にレスキュー隊がフロントガラスを割って救出してくれた。それから、包帯のようなもので、上半身の一部を固定された。救護エリアに運ばれ、高齢男性が「アクセルが……」と苦しそうに話していたことが印象に残った。

 ある捜査員は、後にこう語った。

「大概の事故は、車両の向きとかを見れば時系列がわかるけど、何がどうなったのかすぐにはわからなかった」