一番しんどかったのは「寝ないこと」
――複数の療育施設に通われていたということですが、その意図は?
麻希 とにかく何でもできることをしたかったし、私自身が安心したいという、親としての自己満もあったと思います。
日替わりでいろんな療育に行ってるような感じでしたけど、じゃあ複数の療育に行ったからといってどこか伸びたかと言われると、正直答えられなくって。息子が重度ということもあって、えぬ自身に刺さる療育、みたいなのを感じる回数は少なかったというのが本音です。
――幼少期、特に大変だったことはどんなことですか。
麻希 いろんな人の話を聞いてきたので、大きい声で「私は苦労した!」なんていうつもりはないんですけど、強いて言うなら、睡眠の部分が一番しんどかったかなとは思いますね。
新生児のときからまとめて寝ない子で、寝ないことが当たり前になりすぎて、私自身、慢性の寝不足になっていることも分からないくらいでした。
――寝てもすぐ起きてしまうような感じだった?
麻希 新生児から大きくなるまで、2、3時間おきに絶対起きるんです。寝かしつけは3時間かかって、やっと寝たと思ってもちょっとの物音ですぐ起きちゃって。
で、小学校入学したぐらいの時にやっと「メラトベル」っていう小児用の睡眠導入薬を飲み始めたことで息子の生活リズムが整って。これは本当に頼ってよかったなとも思いますし、生活リズムを身につけさせてあげる大切さを改めて知りましたね。
夫と離婚することを決めた経緯
――寝かしつけた後に隣の部屋でパーティなんかされたら泣きたいですよね。
麻希 そうです。パパと一緒に暮らしてた時は、やっと寝かしつけた頃に彼が帰ってくるので、「ほんまもう帰ってくんな!」と、何回も言い合いになりました。それで家庭の雰囲気も悪くなり。
――子どもって、家庭のピリピリムードに敏感ですよね。
麻希 それはすごく自分の中でも反省点というか、申し訳なかったと思ってるんです。
夫婦げんかをしてるときに息子が起きてきちゃって、嫌な思いをさせてしまったんじゃないかというのはずっと心残りで。
――そうだったんですね。
麻希 言葉は理解できなくても、息子はすごく人の表情を見ていて。私が笑うと笑うし、私が泣くと泣くしっていうので。それで、私が泣いていたせいでえぬを泣かせてしまったこともありました。
そのときに、今家の中で誰も幸せじゃないっていうのを痛感して、離婚を決めたんです。(つづく)

