「もしかしたら耳がない可能性もある」
――二分脊椎症だと思っていたけれど、実際には違ったと。
しほ 二分脊椎症だと思い込んで育児スタイルまで思い描いていただけに、そっちにショックを受けてしまって。大学病院の検査でよく見たら、「頭蓋骨レモン型」でもなかったんですよ。
「ああ、違うんだ」という安堵が一瞬訪れて、すぐ「じゃあ一体何?」という不安が襲ってきて。
――大学病院の検査でも詳細はわからなかった?
しほ 3Dで見られる超音波検査をやったんですけど、「手の指、足の指は5本ずつありそうだね」とかっていうポジティブな言葉にはいちいちホッとしたり、「かわいいね」って言われるとうれしかったりしながら、結果的に、「目が離れていそうです」「目の位置が低い」と。で、「耳がよく見えなかったから、もしかしたら耳がない可能性もある」とか、そういうことを言われて。
――新たな症状もわかったんですね。
しほ そうですね。で、「それってつまり何なんですか?」と思うわけですけど、産科の先生は正直生まれた後のことは専門外なので、「生まれた後は小児科の方でサポートします」という回答になってしまって。
病名含めてわからないことはたくさんありましたけど、その日は、自分の子どもにはまず間違いなく、なんらかの障害があると確定した日ではあったんです。
子どもの障害を、夫婦でどう受け止めたのか
――御夫婦でそのときに話したことを覚えていますか。
しほ 確定診断を言われたその日、夜に2人で散歩したんですよ。いろいろ所見はあるものの、先生から「赤ちゃん自身は元気です」と言われていたので、まずは「そこはよかったよね」と話をして。
その後は、「耳がなかったらどうなるんだろうね」「聞こえないってことなのかな」とか、そういう話を一通りした後に、結論としては、「でもやっぱり2人の子どもだし、元気で生まれてきてくれるならそれが一番だし、どんな子が生まれても大切に育てたいね」という話で着地して。
だからその日は悲しい日というより、1つまた前進した日として記憶に残っています。
孝輔 みんな子どもってそれぞれ違うじゃないですか。だから僕は、うちの子はこういうタイプの子が来るんだな、と淡々と受け止めたという感じで。
障害や病気に対して負のイメージがないわけではないですけど、それもただのイメージであって、やってみないと分からない。だからそのときは、「自分の子育てはこうなんだ」と受け止めることしかできないというか、それ以上でもそれ以下でもなかったんです。(つづく)
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