武藤 誰かが抜けても、また新しいスターをつくれる団体が強いんだから。WWEだって昔からそうだもんね。アルティメット・ウォリアーなんか仕事できなかったけど、会社が「こいつをスターにする」って売り出して、自前でスターにしたもんな。ジョン・シーナにしたって、仕事ができるとかどうかじゃなく、「こいつをスターにする」と決めたら、ちゃんとスターにしてきたんだよ。日本だって、たぶんそういう強い会社を目指してるはずだよ。

スターを生み出すために何をすべきか?

――新日本の歴史を振り返ると、いちばん離脱者をたくさん出してますけど、いちばんスターを生み出してもいますからね。

武藤 ただ、スターを生み出すためには、いい人材に入ってきてもらわなきゃいけない。だから俺はNOAHの武田(有弘=サイバーファイト取締役)に言ったことがあるんだよ。20代の若いヤツにドーンと高い年俸を出すって告知していい人材を集めて、35歳ぐらいでフリーになってもらう、逆ピラミッドスタイルのほうがいいんじゃねえかって。今は若者がお金で職業をチョイスする時代だから、まずは若いうちから稼げるようにして、実力がついたらあとは自分の力で海外に行くなりしてもらえばいいんだから。

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――今は若いスターを生み出したいのに、高い給料のベテランがたくさんいたりするわけですもんね。

武藤 どんなジャンルでも若いお客に観てもらわなきゃ先細りするわけだし、若者は若いスターを応援するよ。女の子だってジジイより、まだ技術は未熟でも若くてカッコいい選手に夢中になるだろうしね。

――プロレス団体で大量離脱が起こった時、救世主になるのはいつも若くて新しいスターですもんね。

武藤 そうそう。で、新しいスターを生むためには、育成やスカウトにもっと力を入れなきゃいけないよな。今のWWEなんかは、他からでき上がった選手を取ってくるだけじゃなくて、ちゃんと自前で育ててるよ。俺なんかもトライアウトを見学させてもらったことがあるんだけど、50人ぐらいがテストを受けにきていて、もうみんな素質がある若者ばかり。そこからふるいにかけてるわけだから、あの層の厚さを見たらびっくりするよ。

――いろんなスポーツのアスリートが、プロレスで稼ぐためにやってきてるわけですね。