――ryuchellさんもこの写真に心を動かされた一人だったんですね。どうしてそこまで反響があったのだと思いますか?

ホリーニョ この写真は、沖縄県公文書館のキャプションでは「米軍が設置した病院にて」と説明されてるんですが、写ってる背景は病院という感じはしないですよね。

 周りにほかにも寝ている女性が何人かいます。おそらく米軍がどこかの村の誰かの家を民間人収容所と決めて、そこに怪我をした人や病気になった人をまとめて押し込めて「ここは病院」って決めていたんだと思います。

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 僕がこの活動を続けていて感じるのは、沖縄戦とか沖縄の戦後を生き抜いた女性たちへの注目度の高さです。「もう亡くなった自分のおばあもこういう生活を送っていたのかなって想像するんです」という声をいただくことが多くて。

 この写真も高齢の女性の患者さんが中心に写っていて、タバコを吸いながらすごく不安そうな顔をしているように見える。沖縄戦を象徴してる1枚だからこそ反響が大きいのかなと思います。

――女性の手には入れ墨も見えますね。

ホリーニョ 琉球王国の風習だった、若い女性が手の甲に彫る「ハジチ」という入れ墨ですね。明治時代に政府から禁じられたので、現在は入れている方はほとんどいないんですが、当時の写真にはよく写っています。この写真にも写ってますね。

1945年4月3日 米軍の侵攻によって家を追われた人々。アメリカ製のタバコを吸う女性の手には、入れ墨(ハジチ)が見える。沖縄本島にて(沖縄県公文書館所蔵/ホリーニョさん提供)
カラー化前の元の写真(沖縄県公文書館所蔵)

 ハジチが写っていると「おばあがしてたハジチだ」って反応がやっぱりあるんですよね。僕のカラー化写真を見た沖縄の中学生がハジチに興味を持って「沖縄の歴史や文化を調べるきっかけになった」と言ってくれたり。そうなったらいいなと思って活動しているので、その時は嬉しかったですね。

実際にどうカラー化しているのか? 最近は生成AIも導入

――具体的にどう白黒の写真をカラー化するのか、作業についてもお聞きしたいです。最近は生成AIを導入しているんですよね。

ホリーニョ 生成AI以前は、AI技術による着色ソフトを使って、ざっくりと白黒写真全体に色を入れることを「AIカラー化」と呼んでいました。でも僕がカラー化を始めた2010年代後半ぐらいだと、AIによる着色能力って精度が低くて。3割くらいはちゃんと色が付くんですが、それ以外は「何これ?」みたいな色になってました。