ティルダ・スウィントンが男性から女性へと変容し時空を超えた旅をする『オルランド』(1992)から、監督自らタンゴに魅入られ愛に目覚めていく様を描いた『タンゴ・レッスン』(97)まで、独創的な映画を数々発表してきたサリー・ポッター監督。女性監督の先駆者としても知られる彼女が、長編第一作として発表した『ザ・ゴールドディガーズ』(83)が、このたび日本で初めて劇場公開される。

サリー・ポッター監督©︎Adventure Pictures

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金持ちの男を狙う女たち

『ドクトル・ジバゴ』(65)や『華氏451』(66)に出演し、『ダーリング』(65)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したジュリー・クリスティが演じるのは、“スター女優”のルビー。長年、男たちの欲望の視線に晒され続けてきたルビーは、ある日、黒人女性セレステ(コレット・ラフォン)と出会う。銀行で働くセレステは、資本主義社会における不可解な「金」の流れに疑問を抱いていた。こうして二人は、自分たちが生きる社会の仕組みを探ろうと、『不思議の国のアリス』さながらの荒唐無稽な冒険を繰り広げる。

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映画『ザ・ゴールドディガーズ』

 タイトルの「ゴールドディガーズ」という言葉には、「金の採掘者たち」という意味とともに、「金持ちの男を狙う女たち」という揶揄も含まれている。元々ダンスや音楽の分野で活躍し、60年代後半から短編映画を製作していたポッター監督だが、「金」と「女性」という二つのテーマに着目した初長編の過激さ、ユニークさには、今見ても圧倒される。

映画『ザ・ゴールドディガーズ』

 政治的なメッセージとフェミニズム的視線に満ち溢れた『ザ・ゴールドディガーズ』は、1983年の本国での公開時には批評家たちからブーイングを浴び、一方でアンダーグラウンド・カルチャーの世界ではカルト的な人気を誇ったという。40年以上の時を経てよみがえったこの映画はどのように誕生したのか、サリー・ポッター監督にお話をうかがった。