現場スタッフは全員女性、ギャラはまったく同額
――製作体制の新しさについてもぜひお聞かせください。本作のスタッフの大半が女性たちで、ギャランティもほぼ同額だったそうですね。
サリー・ポッター ほぼではなく、現場スタッフの全員が女性で、ギャランティはみんなまったく同額だったんです。この体制を実現させるためには本当に大変な思いをしました。当時のイギリスの映画産業では、女性の監督はもちろん、録音部や照明部で技師として働いている女性もほとんどいなかった。そこで私たちは、女性のスタッフたちをそれぞれの組合に加入させるよう何度も交渉し、現場で働くための手配に奔走しなければいけませんでした。当然、いろんな抵抗に遭いましたし、「サリー・ポッターは男が嫌いなんだ」と陰口も叩かれました。まったく馬鹿げていますよね。私は女性と同じくらい男性だって大好きなのに!
よく知られているように、映画業界はひどい格差社会です。大スターには信じられないほど高額なギャラが支払われる一方で、現場でアシスタントとして働く人たちはただ同然でこき使われる。このヒエラルキーをどうにか破壊しなければいけないと、私たちは全員同額のギャランティにする試みに挑戦し、その後も、2、3本の映画で同じことを試してみました。
大事なのは、それぞれの職分に対する情熱や愛情を、誰もが平等に分かち合うこと。社会を変えようと思ったら、戦うしかないんです。ただ待っていても何も変わらない、変革のためには無理矢理にでもドアをこじ開けなければ。
