スター女優、ジュリー・クリスティの反応

――ジュリー・クリスティさんに脚本を見せたときの反応はどういうものでしたか?

サリー・ポッター とても気に入ってくれましたよ。「何がなんだかわからない」とも言っていたけど(笑)。「とにかく一緒にやりましょう」と言ってくれました。きっとこの脚本に感情的な結びつきを感じてくれたのでしょう。

 ジュリーは当時、ハリウッドの大作映画に出演する大スターだったわけですが、彼女自身は巨大な製作マシーンの中にいることに決して満足していたわけではなく、むしろ不安や孤独を感じていた。だからこそ、まったく別の世界に挑戦してみようと決めたんだと思います。

ADVERTISEMENT

映画『ザ・ゴールドディガーズ』

『ザ・ゴールドディガーズ』の製作現場は、それまでジュリーが経験してきた撮影現場とは何から何まで違う環境でした。ハリウッドではすべてが分業制で、俳優はただカメラの前に立ち演じるだけ、他の部署のスタッフと交流することはほぼありません。それに対し私たちの映画はものすごく低予算でしたから、他の人の仕事だろうと手が空いていれば誰であれ手伝うのは当たり前。アイスランドでロケをしたときは、ジュリーも含め小さな小屋に何人もで寝泊まりをして共同生活をしました。

映画『ザ・ゴールドディガーズ』

 あの映画をきっかけに、私たちはとてもいい友人になり、今もあのときの体験についてよく話します。ジュリーにとって、映画作りの現場に一から関われたこと、そして、自分がどのようにスクリーンの中で表象されるのかを意識しながら映画を作れたことは、非常に新鮮な体験だったようです。結果として、この映画は彼女のキャリアの転換点になったはずです。