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自白を覆した初公判
2018年1月23日、横浜地方裁判所で今井の初公判が開かれることになった。
そう、この裁判が波紋を呼んだのだ。
冒頭、裁判長が今井に向かって、公訴事実に誤りがないかどうか尋ねた。スーツ姿で出廷した今井は淡々と答えた。
「いずれも何もやっていません」
今井は起訴内容をキッパリと否認したのである。
いったんは3人の殺害を認め逮捕された今井は、その後、黙秘に転じていた。さらに事件当時について「記憶していない」と無罪主張の口火を切っていた。弁護側の主張は、「精神障害の影響で健忘症の症状があり、事件当時の記憶がない」とのことだ。
状況証拠を積み上げ、容疑者を今井ひとりに絞り込んだ県警が任意で事情聴取を始めたのは、2016年1月末からのことだった。取り調べは、なかなか進まないまま、はや2週間が過ぎた。そして「母親と話をしたい」と申し出て聴取を一日休んだ今井は、その翌日に3人の殺害理由についてこう自白したという。
「介助を拒否され困っていた」
多くの介護殺人事件がそうであるように、日々の介助の積み重ねだったと語る今井の動機はすっと心に落ちた。だが、こうして犯行を認めたにもかかわらず、それ自体を反故にするというのだから、穏やかではない。