背中を押してくれた上司、一方で同僚からは“陰口”も……

――奥様は、どう考えていたのでしょう?

小西 妻の考えを明確に聞いたのは渡米してからだったのですが、「最終的にあなたはひよると思ってた。そうなっても、私は子ども2人を連れて行っていたよ」と。「行かない」という選択肢は、彼女にはなかったそうです。

思い悩むなかで、「自分にとっても渡米が良いことかもしれない」と考えが変わってきたという(本人提供)

――休職する意思を伝えたとき、会社からはどんな反応があったのですか?

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小西 当時、休職制度を使用するのは5人目で男性第1号でした。意を決して上司に報告すると、しばらく考えて「わかった。君にとっても家族と一緒にいるほうがいいだろう。制度なんだから堂々と使え。カッコいいぞ」と激励してくれました。

――周囲の同僚は、いかがでしたか?

小西 女性記者の後輩や一部の同僚からは、「カッコいいです。素敵です」といった言葉をもらいました。しかし、一部の人からは、「俺には理解できない」「気が狂ったのか」「あいつ終わったな」などと陰口をたたかれていたそうです。

――なかなか辛辣な批判ですね……。

小西 自分でも「記者として終わったな」とうっすら思っていたので、言われても仕方ないなと。前向きでいるよう努めていましたが、そうしたノイズは正直気になりました。ただ、それ以上に激励してくれる人たちの言葉に救われました。私の両親も反対せず、むしろ快く送り出してくれました。

――では、晴れ晴れした気持ちで渡米できたと。

小西 と言えたらカッコいいのですが、実際は複雑な心境でした。米国暮らしを想像すると一時的にハイになるものの、将来を考えると不安が拭えず……。その気持ちを抱えたまま飛行機に乗り込んだことを覚えています。


 続く記事では、小西さんが専業主夫になり従来の役割が完全にひっくり返り「妻が稼ぎ、夫が家庭を守る」スタイルになったことで感じていた葛藤やストレス、そんな小西さんを救った妻とのエピソードなどを聞いていく。

次の記事に続く 「妻に養われている自分が、受け入れられなかった」「下に見られている気がして…」エリート記者→家族の事情で《専業主夫》になった男性(54)が振り返る葛藤

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