水門

 水門は、その開け閉めで流す水を管理する装置だ。暗渠化された後であっても、いまだ流路の開閉や水量調節などが必要な現役の用水などではなくてはならないもので、逆に水のない所には存在する理由がない。すなわちこれもかなり確度の高い暗渠サインというわけだ。

 ただ、水門自体普段の我々の暮らしの身近にあるものでもないので、「眼の前の物が水門なのかどうか」は数回接してみないとわからないかもしれない。開閉のためのハンドルやメーターが付いている、スキンプレートと呼ばれる水受け板やそれにつながる支柱が見えている、などのおおまかな特徴を覚えておこう。

 水門は必ずしも現役であるわけではなく、暗渠化と同時に用水が廃止され埋め立てられた後に、水門だけまたは水門の一部だけが残されるケースもある。

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道端に突如現れる水門(著者撮影)

水車

 水の流れを受け止めそれを動力に変えるのが水車であり、これも水辺にしか存在しえない物件である。しかし、水車は電気など代替動力の普及にともなって川が暗渠化される以前廃止となったものが多く、また物件自体が併設の小屋まで必要とする大規模なものであるがために、そもそも存在自体が非常にまれだ。

 また、歴史的価値が認められ、資料館や博物館など現場から離れた所に移築されるケースなどもあるため、暗渠サインとしてはなかなか機能しにくい面もある。とはいえ水車は古地図にも地図記号として描かれていたり、郷土資料などでもよく扱われていることから、水車「跡」情報でも十分強力な暗渠サインとして活かせるだろう。

護岸

 これも川がなければ要らないものなので、ほぼ間違いのない暗渠サインだ。もともと頑丈につくられるものなので、撤去するのも大変なのであろう、暗渠化後も道の両側ないしは片側に護岸が残っているさまはあちこちで見ることができる。コンクリートを流し込んで成型したもの、コンクリートブロックや間知石、玉石などを使った石積みのものなど素材はいろいろだ。

堀を埋めた暗渠(左側)に残る護岸(著者)

 深い谷を刻んで流れていた川や、水が集まりやすく氾濫を繰り返していた川であれば、高く砦のような護岸が残っているかもしれないし、わずかな高低差を縫うように流れていた水路ならば、わずかの突起がそれを示すだけかもしれない。

 また護岸は一定程度の長さを以ってつくられるものなので、「複数の敷地にまたがって続いているか」に着目すると判別もしやすい。