「そうかもサイン」
「AならばBかつBならばA」といった双方向の関係があるとまでは言い切れず、確度としては弱含み、「これがあると暗渠であることが多い(しかし暗渠でないときもある)」といった程度のものを「そうかもサイン」とした。やや確度は下がるが共通しているのは、水面があった時代との関係を物語るもの、あるいは暗渠化されたからこそそこに残るものなどの暗渠サインである。
家並み(裏向き・段差)
家並みに着目してみよう。もしどの家も玄関を設けず、ずらりと並んで背を向けているような道があれば、その理由はかつてそこが川だったからかもしれない。通用口や勝手口、または入口さえつくらず柵で仕切られる家が続く。その家の敷地には、エアコンの室外機が並び、乗らなくなって錆びた自転車や、粗大ゴミの日を待つ廃家電が無造作に置かれており、それらの隙間にドクダミやアジアンタムなど日陰を好む草が生え、所々苔も生している……。そんな「ひなびた裏側感」も立派な暗渠サインである。
また、水は低い所を流れるので、周囲と道との間にちょっとした段差ができていることが多い。それを埋めるために設えてある数段の階段も、段差をより可視化したものだ。そこが「谷」であるかどうかに敏感になって眺めてみよう。
下水道設備
下水道が整備される直前の都市中小河川は、生活排水が垂れ流され下水同然に扱われていた所が多い。それを近代化の過程で自然流下を利用して、そのまま下水道に転用しているのだ。したがって、道上や道脇にみられるマンホールや排水パイプなど下水道関連の設備も暗渠サインとなる。排水パイプが道に突き刺さっているさまなどは、もしかしたら暗渠化前から変わらない光景なのかもしれない。