――心強いですね。

碓氷 本当に友達には恵まれたと思います。パトカーの中でも警官の方は優しくて、フランクに「家出したん?」と尋ねてくれました。深刻に聞かれると気が滅入りそうでしたから、軽い雰囲気で聞いてくれてほっとしたのを覚えてます。

――とはいえ、警察署についたら母親とご対面ですよね。

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碓氷 私もそう思って、母親から虐待を受けていた証拠としてパソコンに保存していた罵倒の録音を出そうとしたら、「あなた、成人してるから帰る気がないなら帰らなくていいですよ」と言われたんです。

 未成年だと警察は親元に返す義務があるようですが、私は成人だから帰るか帰らないかを自分で選べると言われました。ちょうど成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた時期で、それで自分で選ぶことができました。

――答えはもちろん……。

碓氷 「帰る気あるの?」と聞かれて、ないと答えました。そうしたら「じゃあ、本人は見つかったので捜索願も取り下げられますから、あとは1人で頑張ってね~」と言われてあっけなく解放され、警察署まで歩いてきてくれた友人たちと合流してその中の1人の家に向かいました。

母親から出た「縁を切ろう」という意外な提案の理由

――ただそれでは母親のおさまりがつかなそうです。

碓氷 むしろ逆で、このときに母もついに諦めてくれました。その時点で母から見た私は「せっかく熱心に導いてやったのに、自分を裏切って道を違えた愚か者」になっていたようで、「もう1人でどこへ行ってもいいから、お互いに迷惑をかけないことを公正証書に誓って、縁を切ろう」と提案がありました。

――思い通りにならないと知った瞬間に縁を切るまでいくのですね。

碓氷 私も縁を切るつもりで家を出ていたので、すぐに同意しました。ただスマホや保険証、マイナンバーカードなどを回収せねばならず、日を改めて一度家に戻ることになりました。「布団や机は処分に金がかかるから持っていけ」と言われたので、業者を雇いました。そのうえで、一人では怖いので幼馴染についてきてもらったんです。