――例えばどんなことを書かれたのですか?
のん 希ばかりが大貴を支えているような印象を受けたので、彼女も大貴に支えられているんだ、と感じられる「お兄ちゃん」なエピソードがもうちょっとあったらいいな、とか。あとは、希の婚約者である雅也(演:伊島空)の家族と大貴との交流についても「こんな描写はどうでしょうか?」とお伝えしました。
――皆さんからはどんな反応が?
のん 「こんなふうにしてみました」と新しい脚本を送ってくださったんです。私の願望をすごく素敵な形でちょっとずつ取り入れてくださって、感動しました。と同時に「私はすでに『平行と垂直』の世界に足を踏み入れているんじゃないかな?」と気付いて。これはもう、覚悟を決めてやり抜こうとオファーをお引き受けしました。
――ネタバレは避けますが、のんさんが提案された「大貴と雅也の家族の交流」は、作品において非常に重要なシーンになっていましたよね。思わず泣いてしまいました。
のん もう言葉にならないくらい、すごく素敵でしたよね。本当に本当にキャストの皆さんが素晴らしくて。ご一緒できて嬉しかったです。
――ユーモラスな一面も魅力的な作品で、希がおっちょこちょいなのも可愛らしかったです。いつもカバンをガサゴソして物を探しているし、寝癖頭だし、忘れ物も多くて。とても几帳面な大貴とは対照的です。
のん そうそう、そうなんです(笑)。バタバタした動きは楽しくてやりがいがありましたし、希としては大貴に対してちょっとお姉ちゃん的な物腰なんですけど、実は色々とちゃんとしていない、というのは人間味があって面白いですよね。
――また、のんさんの瞳のきらめきが、とても生きた映画だなと感じました。
のん あ、きらめいてました?
――はい、瞳の中に星がいくつもありました。カウンセラーとして働きながら、ひとりひとりに真摯に向き合う時の眼も印象的でしたし、また大貴に対しては、「お兄ちゃん」としての愛情はもちろん、うまく意思疎通できない苛立ちなど色々な感情が含まれた眼差しを注いでいて。
のん ありがとうございます。

