さらに進むと笹ヤブが目の前に。ただし山道のところは途切れており、わけなく通過できそうだ。その笹ヤブの向こうに、気になるものが見えている。
斜面のあちこちにちらほら、砕いたような石が散在しているのだ。これはもしや……と思いヤブを抜けると、覆い被さるような巨壁が現れた。「獅子吼城ここにあり」と立ちはだかるその姿に一気に興奮。
ベースは土の急斜面をさらに削った切岸だが、ところどころに石垣が見える。枯葉に埋もれていたり、一部崩れたりもしているが、それでも往時の姿を想像するに難くない。先ほどの堀切と竪堀はいわば露払い。よく見ると斜面直下には堀切もズバッと切られており、ここからが本番、といった趣だ。
石に覆い尽くされた驚きの急斜面
堀切を超え、右に直角に折れ城内へと進む。石積みで強度を増した土塁の脇、横堀状の窪みを進んでゆく。
それにしても、あらゆる場所に石がゴロゴロ転がっている。この山自体が岩山だったお陰で、これだけの石材が集められたのだろうか。城の立地には眺望や地形も大事だが、そこで産出される石が加わると、より堅くできる。獅子吼城はその典型といってよさそうだ。
そんなことを考えながら進んでゆくと、その最たる光景が目の前に現れた。上から下まで斜面一帯、おびただしい数の石塊が散らばっている。山頂の主郭から北東、縄張図でいうと右上へと段々に連なる曲輪のあたり。
まさかこの斜面全体が、総石垣で覆われていたのだろうか。さすがにそれはなさそうだが、斜面のそこかしこに石垣があったのは疑うべくもないだろう。ここからは何度かジグザグに折れ曲がる道をたどり、主郭方面へ。
あまりの急勾配なので、直登は不可能。道はあるが、何度も折れながら勾配を稼いでゆくしかない。
みたこともない二重石垣が出現
息を切らせながら中腹あたりまでくると、ここまでとは明らかに異なるワイルドな二重石垣が待っていた。
ひとつひとつの石のサイズが明らかに巨大。さらに面白いのが、まるで刃のように鋭角に飛び出た巨石が配されていることだ。石垣の中にこういう形で天然石が配されているパターン、他で見たことがない。










