加害者遺族へ向けられる「冷めた目」から逃れるために…

 結海さんの人生の、全てを知っているような気分でいたが、被害者遺族と加害者遺族、この2つが同居した感情を知るためには、当然のことながら、いまに至る半生も聞く必要があるだろう。そう思って口を開きかけると、結海さんはこちらの意図を察したように事件後の人生を話してくれた。

 まず加害者遺族へ向けられる冷めた目から逃れるにはどうすれば――結海さんが考えついたのは、桑田と離縁することだった。

 それと同時に結海さんと妹は、義理の兄と姉がいる叔父母の家に身を寄せることになった。経済的理由により、祖母が叔母に相談。すると快く迎え入れてくれたのである。

ADVERTISEMENT

 だが、そこが安住の地とはならなかった。

「叔母の家に身を寄せてから、2週間くらいは何もありませんでした。でも、一緒に引き取られた妹がまだ3歳なんで、やっぱり叔母や叔父の気がそっちに向いちゃったんです。それはしょうがないことだと割り切れたんですけれど、私が小3くらいから殴る、蹴るの、叔父からの虐待が始まったんですね。学校の宿題でわからない箇所があって、叔父を頼っても、『そんなの自分で解け』ってそっけなくされたり。なぜ標的にされたのかはわかりません。叔父からの虐待は、いちばん最初は従兄弟のお兄ちゃんで、次は従兄弟のお姉ちゃんで、最後は私と連鎖していました」