そんなわけで、ちょっとした展望台なのではないかというくらいに高いところにある徳山駅の新幹線ホームから階段を下って改札を抜ける。そこは、さすがのターミナル、実に立派な橋上駅舎であった。
新幹線の改札と在来線の改札、また駅の南北を連絡する自由通路は、「ぞうさんのさんぽみち」という。もちろんどこを見渡しても象がさんぽしているはずもなく、徳山出身の詩人・作詞家のまど・みちおの代表作「ぞうさん」にちなんで名付けられた。かあさんもお鼻がながいことでお馴染みのあの童謡だ。
そんなさんぽみちを歩いて駅の北口、「みゆき口」に向かう。在来線の改札やコンビニの前を通り過ぎると、そのまま駅ビルに繋がっていた。「のぞみ」の停車駅ともなると、ただ駅だけで完結するのではなくて立派な駅ビルがある。
「20年前と全然違う…」
その駅ビルは、丸ごと周南市の図書館になっている。カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営している、いわゆる“ツタヤ図書館”だ。蔦屋書店とスタバも入っている。このツタヤ図書館はたくさんの人で賑わっていた。
階段を降りて駅前広場に出ると、すぐ目の前の噴水で子どもたちが水浴びをしている。歩きスマホをしていたらうっかり水に足を突っ込んでしまいそうだ。
とかく賑やかな徳山駅。これまで全国各地の地方都市を訪れてきたが、人口10~20万人程度の地方都市の駅前は、もっと閑散としていることがほとんどだ。駅にいるのは学生くらいで、駅ビルがあっても空きテナントが目立つ。観光案内所と居酒屋が1軒、あとは100円ショップ、みたいな光景だ。さらに駅周辺の市街地もひとけがなくて、「中心市街地の空洞化」の現実を、見せつけられてきたものだ。
それが、徳山駅ではまったく違うのである。




