実は、20年近く前にも徳山の駅前を少しだけ歩いたことがある。そのときはまだツタヤ図書館はなくて、古い駅ビルが建っていた。駅のすぐ脇には細いアーケードの商店街が延びていて、その中には近鉄百貨店があったことを覚えている。
それでもお世辞にも活気があるとは言い難く、これが地方都市の現実かと感じたものだ。それが20年経って、一変して活気溢れる駅前に。20年前も今回も、それが訪れた日だけの偶然かはわからない。いずれにしてもツタヤ図書館のおかげで駅前が賑わい、そこを行き交う人たちが笑顔であれば、これほどのことはないだろう。
「20年前と変わらない」アーケード街
20年前とはずいぶん変わった徳山の駅前。ただ、駅のすぐ目の前にアーケードの商店街があることは変わらない。近鉄百貨店に通じていた駅にいちばん近い細いアーケードは撤去されて近鉄もなくなっていたが、そのひとつ北側にある大通りのアーケードはいまも健在だ。
銀座商店街といい、いわば徳山の中心市街地のメインストリートだ。そしてこのアーケードを軸に、何本もの商店街が通っている。
銀座商店街と直接に接するのは中央街。北側には銀南街があって、他にも細い路地に分け入っていくような飲食街もあった。そのさらに奥には、「ぴーえっちどおり」という電柱が地下化された小洒落た通りもある。
こうした駅前の商店街は、戦後のヤミ市がルーツなのかどうか。1960年代に松下百貨店(近鉄百貨店)が開業し、続けてスーパーの丸和やダイエー、また徳山駅の駅ビルなどもオープンして中心市街地の賑わいを生み出した。人口20万人にも満たない地方都市の駅前にこれほどの規模の商業エリアが広がっているというのは、なかなかのものだ。





