「女性向け」と思いきや、男性人気も博した“意外なワケ”
大手ウェブメディア「ねとらぼ」が2025年3月に実施したアンケートによる、東京駅の「『駅弁屋 祭』で食べたい駅弁」ランキングによれば、男性を含めた総合では4位ながら、女性限定では1位に選ばれた。健康志向が女性層の支持を得た様子がうかがえる。
一方、かつて取材した東京駅構内の駅弁店店員は、こう話していた。
「もともと女性に人気のお弁当でしたけれど、最近では男性の支持が広がっています」
男性陣がガッツリ食うにはやや物足りない弁当も、缶ビールのお供となれば話が変わる。多品種のおかずは車内での暇つぶしに最適な、絶好の「おつまみセット」になったというワケだ。
ではなぜ、高い人気を誇った駅弁が姿を消すことになってしまったのか。
販売元のJR東日本クロスステーションは、販売終了の理由について回答を差し控えた。ただ、発売当初から終売に至る期間の各種データをたどってみると、この弁当を取り巻く採算環境が厳しくなっていたことが浮かび上がってくる。
「戦場さながら」駅弁の製造現場は、かなり壮絶
先述の通り、筆者は2011年、都内の駅弁製造工場を取材した。徹底的に機械化された内部を想像していたところ、そこには真逆の光景が広がっていた。
筆者が工場をお邪魔すると、まさに「30品目バランス弁当」が作られている最中だった。19人のスタッフが横に並び、1人目がセットした箱が右から左に流れていく。ご飯、春雨さっぱりサラダ、がんもどき……と続き、ハシが入り、最後にフタが閉じられる。
詰める具材の残り具合は進行係がチェックして、タイミングをみて補充。流れが止まることなく、次々と商品が仕上がっていった。
工場を案内してくれた担当者は、工場内には計5つの製造ラインがあり、ピーク時には約100人がラインで作業にあたると説明していた。年間を通じて最も忙しい5月の大型連休中は、工場全体で1日に約4万8000個も製造するため、現場の様子を「戦場さながら」と表現していた。
