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「今回は2万~3万円でいい」
「普通なら1カ月ぐらい続けるし、費用ももっとかかるんだが、今回は2万~3万円でいい。お布施と思って出してほしい。水子の供養のために使うんだから」
A子さんが「お金はありません」と断っても、「いや、ある。私は何でも分かる」と言って、財布を出すように要求。なけなしの7000円を奪った。
さらに、松永の図々しさは度を超えていた。
「除霊を完全なものにするためには、私が水子のために肉を食べなければならない。近くにうまい焼肉屋はないか。ネットで検索して調べろ」
2人はミニバイクに乗って、10キロほど離れた焼肉店に行くことにした。A子さんは「とにかく外に出れば、助けを求められるチャンスがあるかもしれない」と考えたからだ。
ところが、夕食時の焼肉店は家族連れの客でにぎわい、周囲を子どもたちが走り回り、とてもレイプ犯を告発するような雰囲気ではなかった。
(私の顔色を見て、誰か気付いてくれないかしら。助けて……)
A子さんの必死の願いもむなしく、松永はやたらと馴れ馴れしく話しかけ、どう見てもカップルにしか見えないように装った。
「トイレに行かせて……」
「ダメだ。焼肉を食べるまでここにいろ」