NHK連続テレビ小説『風、薫る』が9月25日に最終回を迎える。日本の看護婦の草分けとされる大関和と鈴木雅をモチーフにした2人の女性が、まだ日本に根づいていなかった看護を学び、その仕事を切り拓いていく物語だ。主人公のりんを見上愛、直美を上坂樹里が演じている。
主人公が2人いる朝ドラは2008年度後期以来だ。主人公が複数いたこれまでの作品は双子や3世代の母娘など、血縁でつながった関係で、血縁関係のない2人を主人公に据えるのは史上初の試みである。
ただ、当初の反応は芳しいとは言いがたかった。序盤は2人の人生が別々に進み、出会う第2週の終盤まで怒涛の展開が続くため、物語に入り込めなかった視聴者は少なくない。主演の2人はともに朝ドラ初出演の若手で、いわゆるビッグネームが引っ張る布陣でもなく、「わかりづらい」「可もなく不可もなく」といった声も多かった。「面白くなってきた」という反応が増えたのは、2人がそろって養成所に入ってからだ。
そして終盤を迎えたいま、りんには「共感しづらい」という声がある一方、はっきりした性格の直美には好感を寄せる視聴者が多い。W主人公は、はたして正解だったのか。
「正反対の2人」と受け止められた
刑事ドラマに代表されるバディものは、年齢や経験、立場に差のある2人を組ませるのが定石だ。ところが本作の2人は養成所の同期で、立場は対等である。まずここに難しさがある。
加えて、多くの視聴者は2人を「真逆のタイプ」として見てきた。りんは元家老の家に生まれ、嫁いで娘を産んだものの、婚家を出て上京した。直美は生まれてまもなく親に捨てられ、教会で育った孤児だ。正反対のバディと受け止めるのは自然なことで、第1回の放送を伝えるニュース記事は2人の人生を「対照的」と紹介し、人物相関をまとめたサイトにも「正反対」という言葉が並んだ。制作発表の時点から、作品自体も「考え方もやり方もまるで違う」2人の主人公のバディドラマと紹介されてきた。



