――お母さんが亡くなって3年後の2020年1月、大島さんが倒れてしまったそうですね。

大島 脳梗塞です。1人になってから、母と住んでいた部屋を引き払ったんです。でも、母の介護で思うように働けなくて借金を作ってしまったので、住むところを探すのに苦労して。

 板橋にいる知り合いのところに1年間という約束で居候させてもらったんですけど、お金のこともあってなかなか出て行けなくて。部屋の外から「出て行ってほしい」という知人の会話が聞こえてしまって、ストレスで不整脈が出るような状態だったんです。

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 ただでさえまいってるのに、仕事と保険の試験勉強で寝不足が1週間続いていて。試験に受かった翌日に倒れました。

脳梗塞で入院中の大島さん。当初は自分では体調の判断が難しかったという

脳梗塞で倒れた日の、「明らかにおかしいのに判断ができない」恐怖

――倒れた日は、なにか兆候が現れていたのですか?

大島 仕事に行こうと電車に乗って、目的の駅に着いて起きたら鼻水がダラッと垂れていて。フラフラしちゃって、電車の中にスマホを忘れたんです。駅の忘れ物センターに行って、書類に名前と住所を書こうとするんだけど書けない。駅員さんからは酔っ払いだと思われて。明らかにおかしいのに、自分ではおかしいという判断ができないんです。

 早めにスマホが戻ってきて、仕事先に遅れる連絡をしようとしても、スマホのロック解除の番号が分からない。仕事先に行こうと電車に乗るんですけど、眠くて寝ちゃって、何回も通り過ぎて、しまいには位置の感覚がおかしくなったんです。

 

――それでも異常には気づけなかった。

大島 午後3時に先方から電話があって、僕の喋り方がおかしいので「すぐ病院に行ってください」と言われたんですけど、夜に約束があったから「病院は行かなくていいや」と。

 そのままウロウロして、電車で隣に立っていた女性に「教えてあげなきゃ」と急に思い立って、夢と現実が混ざったような話をしたら、思いっきり怖がられて逃げられてしまって。そりゃそうなんですけど。

 結局、夜10時まで電車に乗ったり降りたりしていたんです。そこへ保険会社の上司から連絡があって「家に帰ってください」と言われて帰りました。リビングのソファーでうたた寝していたら、上司が家に来てくれて救急車を呼んでくれたんですよ。